歌舞伎座夜の部

先週、歌舞伎座夜の部を観劇してきました。評判どおり、「勧進帳」はとても見ごたえがあって良かったです。
実は、当初、配役を見た時はあまり期待をしていませんでした。「勧進帳」は人気演目なので何度も見ていて、吉右衛門の弁慶も前に見たことがありますが、義太夫物が良い吉右衛門の弁慶はなぜかイマイチというか・・・。でも、今回は見違えるほどでした。吉右衛門の弁慶、菊五郎の富樫、梅玉義経のアンサンブルが良くて、「勧進帳」の面白さを再認識。四天王(染五郎、松禄、菊之助段四郎)も良かったです。染五郎、松禄、菊之助が横に控えている時に、弁慶と富樫のやりとりを真剣に見詰めていたのが印象的でした。
私の後ろの席に、70代くらいの男性のグループがいて、
「やあ、良かった。これだけの勧進帳はもう見れないかもしれないなあ。」
と言っていました。

夜の部は、この前に「蘭平物狂」、後に「三人吉三郭初買」。
三人吉三」と言えば、お嬢吉三の「月は朧に白魚の・・・こいつぁ春から縁起がいいわえ」という台詞が有名です。(資料により、表記は異同があります。) 言葉の出典についてのレファレンスは結構多くて、だいぶ前になりますが、「こいつぁ春から縁起がいいわえ」の出典について調査をしたことがあります。レファ協にも事例が登録されていました。

【質問】 「こいつは春から縁起がいいわい」という言葉の出典を知りたい
      (http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000011552

この事例では、インターネットで手がかりを得て回答しています。
調査の手がかりを得るために、インターネットを検索してみることは今では当たり前になりましたが、私がこの質問を受けた時−レファレンス担当部署に配属されて間もない頃(1990年代前半??)−はインターネットという、便利なツールはありませんでした。
実は、社会人になってから歌舞伎をみるようになっていたので、質問を聞いてすぐに出典はわかったのですが、レファレンスは資料に基づいて回答しなくてはいけません。そのため、名句辞典とか、歌舞伎の名セリフなどの資料を調べて回答したと思います。
黙阿弥の七五調の名台詞を聞いて、昔のレファレンスのことを思い出しました。