第5回レファ協フォーラム参加記

2月20日(金)に、国立国会図書館関西館で開催された第5回レファレンス協同データベース事業フォーラムに参加してきました。
今年からフォーラム名に「参加館」がとれています。今年のテーマは「レファレンス協同データべースの戦略的活用−変わりゆく図書館経営の中で−」。レファ協参加館だけではなく、レファ協に関心にある方など多くの方に参加していただきたいという、事務局側の戦略かも、などというのは深読みでしょうか。
すでに、フォーラムの様子は、いくつかのブログで報告されています。
レファレンス協同データベース事業フォーラムの感想やら雑記やら。*1
・第5回レファレンス協同データベース事業フォーラムに参加 *2
・第5回レファレンス協同データベース事業フォーラムに参加したよ *3
詳しくは、間もなくレファ協参加館のページにアップされる当日配布資料、数ヶ月後に公開されるフォーラムの記録集を見ていただくことにして、以下は、個人メモからの抜粋です。報告に聞き入ってしまって、メモし忘れたことも多いのですが・・・。メモ、といいながら、書いていたら長文になってしまいました。また、誤りがあったらご容赦ください。

平成20年度事業報告レファ協事務局 大貫朋恵さん)
・7〜9月に利用者アンケートを実施。回答件数は44件で少なかったが、レファ協を知った手段として、検索エンジンでヒットしたので、個々の事例にあたった、というケースが多かった。
京都府立高等学校図書館協議会司書部会のグループとしての実験参加について。来年度以降も継続して検討していく予定。
・累積データ登録件数(公開レベルに応じて点数を加算)、被参照件数の上位館に長尾館長名の御礼状を送付する。年度内には発送予定。
レファ協の活性化のための事務局の積極的な活動については、頭が下がります。

基調講演「質の高いサービスをめざして−レファレンスサービスにおける経験の蓄積とレファレンス協同データベース事業の役割」慶應義塾大学 田村俊作先生)
・日本では、レファレンスサービスの普及度は元々低い。インターネットの普及を契機にレファレンスに取り組む、という姿勢が見られる。
・特定のニーズを支援するサービスの展開について。利用者の課題は、図書館だけでは解決しない→図書館ができないサービスを、他機関との連携でカバー→(そのためには)図書館の立ち位置の明確化=レファレンスサービスを中核とする業務再編が必要。
レファ協への期待。データの中身を良くするのは、参加館の役目。調整役としての国会図書館は、モチベーションを高める工夫を。
・一般公開した事例を直接見に来ることが少ない。Google検索をして、事例を閲覧した時に、「なんだ、この程度か。(=がっかり)」ではダメ。「おっ!!(=図書館でこんなことが調べられるのか)」という発見があることが大切。そのためには、事例の質の保証が必要。また、可視性を高めるための、フォーマットも大事。

実践報告(1)「香川県立図書館におけるレファレンス協同データベースの活用」香川県立図書館*4 藤沢幸応さん)  
・貸出・返却業務は委託。レファレンスサービスは司書職員(レファレンスの専任は3名)。
・寄せられる質問は幅広い(クィック、郷土に関するもの、専門的なもの)。件数も増加している。
・独自にAccess版レファレンス事例DBに事例を登録し(登録件数:9355件)、その中から、レファ協に登録。登録する事例は地域に関する事柄を優先している。
・未解決事例についても、情報提供を期待して積極的に登録している。
・レファレンスサービスを積極的にPRしたい。→図書館HP内に「レファレンス事例」*5コーナーを設けている。
・今後、参加館が増え、地域に関するレファレンス事例や、専門的な調べ方マニュアルの登録が増えることを期待している。また、登録したデータの安定的な維持と、技術的な問題かもしれないが、レスポンスの向上を期待している。
香川県立図書館HP内の「レファレンス事例」はとても充実しています。事例の紹介だけでなく、レファ協へのリンク、事例のアクセスランキングなど、見習いたい部分はたくさんあります。

実践報告(2)「ワンパーソンライブラリーの可能性」(紙の博物館図書室*6 竹田理恵子さん)
・自館登録で下書きがわりに登録して、後でまとめ直し、質を高めながら一般公開にしている。
レファ協に登録したことで、コメントを寄せられて解決に結びついた事例があった。
・ブログは、検索エンジンを意識して書いている。*7
ワンパーソンライブラリーでいろいろ大変だとは思いますが、HP、ブログ、レファ協と上手に活用しているのはすごいと思いました。

実践報告(3)「グローバルに考え、ローカルに行動する−神奈川大学図書館のローカルな試み−」神奈川大学図書館*8 中村裕史さん)
・図書館員のノウハウ(ちょっとしたコツのようなもの、例えば、虫干しのしかた)も、調査事例として登録しても良いのでは?
・調査プロセスは全部書き込むくらいでやっている。(←神奈川大学図書館の事例は、回答プロセスが詳細に書き込まれていてすごいです。)
・情報公開にあたっては、他の図書館員の目を意識しすぎないことも必要では?
・ローカルな事例を登録することで、思わぬ広がりを見せることもある。想定していなかった方々からのアクセスがある。
レファ協へは、2008年8月に参加したそうですが、参加したことによってテレビ番組で紹介されたなど、中村さんの話はとても面白かったです。

パネルディスカッション:「レファ協」で図書館をパワーアップしよう!
コーディネーターは、昨年と同じく、秋田県立図書館の山崎博樹さん。パネリストは、田村先生、午前中の報告者の3人と大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)*9の木下みゆきさん。
最初に、木下さんが「専門的情報ニーズに応えるアクティブなライブラリーへ」というタイトルで報告しました。
・利用者の属性によって、質問の内容が異なる。例えば、行政関係者は、講師等の人材情報についての相談、学校関係者(主に中・高の先生)は教材情報の提供の相談など。相談の半分は非来館(電話やメール)。
灰色文献を使って回答する事例が多い。
大阪府財政再建プログラムをめぐっては、とても大変だったと思います。そんな中で情報相談(=レファレンス)に力を入れ、「ドーンセンターの事業を活性化するためには、ライブラリーが必要である。」という立場で活動している、という報告からは元気をもらいました。
そのあとは、会場からの質問に答えながら、レファレンスサービスの現状、レファ協の戦略的な活用方法としての研修や広報について、パネリストが述べるということで進行。その中から、気になった発言をいくつかピックアップします。
・学生の二極化が進んでいるように思う。「自分が何がわからないか」をわかっていない学生に対して、どのようにサービスを展開していくかが課題。学生に対しても、一人の大人としてきちんと接してあげるのが良い。
・URLにリンクをはれるようにして欲しい。
・レファレンスブックから、レファレンス事例を作るという研修を行った。(ドーンセンター)
・よく聞かれる事例が意外に登録されていないような気がする。クイック事例の登録には、登録する側に抵抗感があるのかもしれないが、もっと積極的に登録してもいいのではないか。
・レファレンス事例の評価は、調査依頼者の満足度、納得度という要素が関わるので、数値化するのは困難。
・広報戦略として「レファ協を新聞に載せる」ことを目指してはどうか。
フォーラムは昨年よりもやや静かだったような気がしました。おそらく、「レファ協を活用しての研修、広報」というテーマは、回答が1つではなく、やり各館で独自に考えてやっていくものであるからかもしれません。その分、懇談はとても盛り上がっていました。昨年のフォーラム報告者だった、宮城県図書館の熊谷さん、福井県立図書館の宮川さん、ARG・編集長の岡本さんとも再会できました。懇談は、いろいろな図書館の方と知り合い、それぞれの図書館の事情を聞けるよい機会でもあるので、ぜひ来年以降も続けて欲しいと思います。
そして、参加された方々が、私と同じく、新しい発見と元気をもらえたとしたらうれしいです。そして、フォーラムを契機に、登録事例が増えることを期待しています。フォーラムの企画・運営にご尽力くださったレファ協事務局の皆さま、ありがとうございました。