『私の「歌舞伎座」物語』

連休中に、渡辺保著『私の「歌舞伎座」物語』(朝日新書;222)を読みました。

私の「歌舞伎座」ものがたり (朝日新書)

私の「歌舞伎座」ものがたり (朝日新書)

この本は、発売直後に購入したのですが、積読状態でした…。
著者の歌舞伎座で観た印象に残った舞台などについて、おおまかに年代順に書かれています。私が歌舞伎を見始めたのは社会人になってからなので、第3章で述べられている舞台のいくつかですが、読みながら、その舞台のこと−玉三郎菊之助の「京鹿子娘二人道成寺」、平成17年2月の「野崎村」、吉右衛門の「一谷嫩軍記」二段目“組討”など−を断片的に思い出したのは、私にとっても印象深い舞台だったからだと思います。
それから、著者は、

歌舞伎座には魔物が棲んでいる

というような言い方で、同じ演目でも、他の劇場と歌舞伎座では見え方が違う(歌舞伎座で観た方が面白い)、それは、役者と空間(=劇場)と観客が作る「伝統」によるものだとしています。「歌舞伎を観るのだったら、やはり歌舞伎座がいい」と思っていた人は多いと思います。私もそんな一人だったのですが、著者の分析に、「なるほど!」と思いました。
そして、今になって、歌舞伎座という劇場についても、もっと良く見ておけば良かったな、と思いました。
著者の劇評を、私は毎月の観劇の際の予習・復習に利用しています。
  渡辺保の歌舞伎劇評   http://homepage1.nifty.com/tamotu/index.htm