『ブックビジネス2.0』

先週のエントリーで、「現在、『ブックビジネス2.0』を読んでいます。」と書きましたが*1、一応、読み終わりました。
“一応”というのは、『ブックビジネス2.0』を読み終えて、改めてこの本は問題提起の本だと思ったためです。各執筆者が考える現状と課題、執筆者が考える今後の展望を提示し、「それでは、この本を読んだあなたはどう考えますか?」と聞かれているのに、返答に詰まっている状態です。
橋本さんが、面白い本の条件としてあげている(p.63)、

・読み手の読書の動機づけが充分で、*2
・未知の内容が書かれており、*3
・難易度や趣味が今の自分に適合する。*4

に、この本はマッチしていると思いました。
この本はどの項から読み始めても良いのですが、図書館関係者は、おそらく、岡本さんの「未来の図書館のためのグランドデザイン」、または、国会図書館・長尾館長の「ディジタル時代の本・読者・図書館」から読み始める方が多いのではないかと思います。(私自身がそうでした。)
岡本さんの指摘にあるように(p.84)、

いまでは情報や知識の生産・保存・入手・利用のあり方が、紙とインクを用いる印刷からデジタル情報技術へと根本的な転換を果たしつつあります。誰も否定することができない変化のなかで、図書館も変化を迫られているのです。
図書館に変化を迫っているわかりやすい要因を二つあげるとすれば、「大規模なデジタル化」と「大規模なウェブ化」ということができるでしょう。

という社会状況の中で、図書館は「デジタル化」「ウェブ化」に対して、各館の状況に応じて対応していく必要があると思います。そして、「情報・知識を生み出す場としての図書館の役割の重要性」「情報、知識、人を結びつけるプロデューサーとしての能力がライブラリアンには必要」という指摘に対しても、きちんと向き合っていくべきだと思っています。資料の収集・保存・提供という図書館の基本軸は変わらなくても、社会状況・社会の要望によって、図書館、そして図書館で働くライブラリアンは進化していかなければ、生き残れないのかもしれません。私は、岡本さんの厳しい指摘は、図書館に対する応援メッセージだとも思っています。
それから、長尾館長の

OPACに記されている本の情報は最小限度の書誌的事項であって利用者を満足することには難しい。(p.106)

という指摘に対しては、日々実感しています。図書館システムについて説明していて、
OPACでは、本の内容(本文)は見られないの?」
と聞かれたことがあります。(何とか、言い逃れをしたような記憶があります…。)
感想をまとめきれず、自分なりのアイディアもまとめきれずにいますが、『ブックビジネス2.0』が図書館の将来を考えるための必読書であることは間違いないと思っています。そして、これからの図書館を考えるためにも、この本を読むよう周りに薦めています。私が買った『ブックビジネス2.0』も、読み終わったら貸すことにしたので、これから、読みながらつけた付箋をはずします。*5 少し時間を置いて再読したら、何か、自分なりの回答が見つかるでしょうか?

私は、『ブックビジネス2.0』を書店がつけてくれたカバーをかけて読みましたが、本の装丁が結構好きなので、再度、本の情報を載せてみます。

ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系

ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系

Twitter情報によると、都内の大手書店では平積みになっていて、かなり目立っているようですね。私は、移動途中の地下街の書店で、書棚に並んでいる中から探し出して購入しました。その書店では、最後の1冊? その後の入荷状況は、未確認です。
勤務館でも購入済みです。ただし、利用できるようになるのは、もう少し先のようです。

*1:http://d.hatena.ne.jp/L-Komachi/20100725/1280058387

*2:電子書籍、ウェブの活用などは、現在、避けて通れないと思いますので、状況把握のためにも読まなくては、と思いました。6月のARGトークに参加したのも、読もうと思ったきっかけです。

*3:読んで、新たな発見もたくさんありました。

*4:読んでいる時は、「読みやすい本」だと思っていたのですが…。

*5:個人的に気になった箇所に付箋をつけながらよみました。つけた付箋は、たくさん…。