『本は、これから』(岩波新書)

池澤夏樹編『本は、これから』(岩波新書 1280)を読みました。

本は、これから (岩波新書)

本は、これから (岩波新書)


電子書籍が話題になっている中で、様々な分野の方・37人の、「自分と本との関わり方」「本は、これから、どうなるのか?」など、本についてのいろいろな考えを綴ったエッセイをまとめた本です。
この本は、先月の図書館総合展が開催された週末に、書店で見つけて、購入しました。その間、いろいろあって、読み終わるまでに時間がかかってしまいましたが…。


それぞれの著者の文章の中に、様々な本に対する思いがあふれていて、読み応えがありました。また、池上彰さんのエッセイに

かくして、私流の、「これから発展する国の見分け方」を編み出しました。書店が多数あり、国民が読書にふける国は発展する、というものです。(p.13)*1

というような、「なるほど!」という文章もたくさんありました。


序で、この本の編者である池澤夏樹さんが、以下のようにまとめています。

 それはともかく、ここに集められた文章全体の傾向を要約すれば、「それでも本は残るだろう」ということになる。あるいはそこに「残って欲しい」や、「残すべきだ」や、「残すべく努力しよう」が付け加わると考えてよいかもしれない。
 みんな本を愛している。 


すでにこの本を読んだ方も多いのではないかと思いますが、図書館で働いているなど本に関わっている方、本が好きな方は読んでおくべき1冊だと思いました。
ただし、この本に対する要望もあります。
37人の著者のうち、U40の若い世代が、写真家の石川直樹さん、ブックディレクターの幅允孝さんの2名ということです。世代バランス的に、U40世代の著者があと数人いても良かったように思いました。それから、電子書籍のこれからに対する意見も、もう少しあっても良かったかもしれません。そうなれば、新書1冊にはまとめきれないでしょう。この本で語りきれなかった「U40世代の本についての思い」「電子書籍のこれから」は、電子版で発表するのも面白いかもしれないと思いました。個人的には、紙の書籍(できれば新書版で)出版して欲しいのですが。

*1:図書館で働く一人としては、「書店が多数」の部分が「書店・図書館が多数」であって欲しかったと思いましたが。