「総合目録ネットワーク事業フォーラム」に参加しました(続)

2月10日(木)に国立国会図書館で開催された、「総合目録ネットワーク事業フォーラム」での、慶応義塾大学・原田先生の講演「国会図書館サーチとLibaray2.0」について、私が聞き取れた範囲でまとめてみました。私のメモから、自分なりに理解するために作成したものなので、講演内容と違っている部分もあるかもしれませんが、ご了承ください。

  • 図書館OPACは、利用者にとってはWebサービスの1つでしかない。OPACの有用性−書誌事項の明確な資料の所蔵を確認できる、正確な書誌情報を知ることができるなど−は理解しているが、Webサービスとしては不満も多い。図書館の利用者はWebサービスに慣れており、利用者は図書館を特別扱いしなくなった。
  • 今の利用者のOPACに対する驚き(=OPACに求められている要件)
    • 検索エンジンと違うインターフェイス(=検索ボックスが多数あること)
    • 何も結果が出ないこと(=間違った検索語を入れてもゼロ件ではなく、「○○ではないですか」という案内があるなど、何かが返ってくること)
    • 自館の所蔵資料しか検索できない(=他館の資料やオンライン書店などの情報を案内してくれること)
    • 「たらい回し」されること(=OPACのみで、ワンストップでできること。他のシステムに回るのも「たらい回し」の一種)
  • 国会図書館サーチ」は、“今の普通”をすべて取り込むことにより、利用者が驚かないシステムにした。
    • 操作性の向上と視認性の口上
    • 絞り込むエリアと広げるエリアの設置
    • ハイライト表示、キーワードサジェスト機能、入力語の組み合わせ例の提示機能などの導入
    • レスポンスの向上
  • FRBRによる、著作同定。出版社が違う、翻訳タイトルが違うといった書誌としては違う同じ本をまとめて表示する機能の導入。
  • API公開は世の中の流れ。APIにより、必要なデータを必要な人に提供できる。サーバの負荷の緩和にもなる。何よりも、図書館以外の組織からの利用者が増える。「検索エンジンで本に関する検索をした時に、図書館の蔵書検索結果が出てこないのはなぜ?」という不満を持っている人は多い。
  • OAI-PMH、SRU/SRWを、新システムを発注する際に、必ず仕様書に入れること。APIを実装することで、Web上で蔵書検索結果の表示ができるようになる。図書館がAPIを実装しない手はない。
    • OAI-PMH:自館のデータを外部に提供するためのしくみ。更新データだけを提供するなども可能。
    • SRU/SRW:自館の検索システムを外部から利用するための仕組み。かつてはZ39.50などの名称で提供されていたものの後継。
  • 国会図書館サーチ」はオープンソースの図書館システムであるが、すべての図書館に配るというわけではない。オープンソースのフォーマットに合わせたシステムができあがること、つまり「システムの標準化」により、システム全体の完成度を上げていくことを目指している。そうなれば、システム間の連携が効果的になる。

以下は、質疑応答での回答です。

  • 横断検索の標準化について。各図書館にAPIが実装されれば、横断検索は現在よりも楽に作れるようになるのではないか? 横断検索のメンテナンス費用もかからない。市町村図書館でも、新システムへのリプレイス時に仕様に入れてもらうようにする。
  • 図書館員のシステムに対する知識について。システムの引継ができ、SEと話ができる程度のスキルは身につけて欲しい。図書館に関わる多くの人が、広く浅くシステムの知識を持ち、システムの話をするようになって欲しい。特定の人だけがSEと話をしていて、周りに(システムの知識が)波及しないのが問題。

国会図書館サーチ」の開発に関わっているという原田先生の講演、途中で話に聞き入ってしまったところもあります。システム担当としては、参考になることが多かったので。APIについては、仕様書に入っていたかどうか、要確認事項です。 
質疑応答での図書館員のシステムの知識についての原田先生の回答を聞いて、「図書館員は、やはり、自館の図書館システムについてはちゃんと知っておいた方がいい。」と改めて思いました。とりあえず、当日出てきた用語は知っていましたが、システム関係は、まだまだ“毎日がOJT状態”です。