『来ちゃった』

「来ちゃった」

「来ちゃった」


酒井順子文、ほしよりこ画『来ちゃった』(小学館、2011)を読みました。
この本は、大人向け高級女性誌『プレシャス』の連載をまとめた本だそうです。*1 雑誌『プレシャス』に、このようなエッセイが連載されていたことに、まずはびっくりしました。正直、『プレシャス』の読者層とこの本の内容が結びつかなかったので…。
東京(はとバスツアー)、京都、天橋立、大阪、宮島(広島)、琴平(金丸座)など、旅行地として有名な所もありますが、切り口はかなりユニークです。そして、旅行ガイドではほとんど紹介されないような地域の旅行記と、ほのぼのとしたイラストとの組み合わせもあって、面白かったのです。いわき(福島県)、田代島(宮城県)、盛岡〜岩泉(岩手県)といった、3月の東日本大震災で被害を受けた地域についての紹介もありました。
読み終わって、よくもまあ、このような所にわざわざ行く気になったものだ、と感心しました。著者は、「このような旅は、大人だから可能」「地味だけど、かなり贅沢」と述べていますが、この本を読んで、どのくらいの人が現地に行ってみようと思うかは不明です。「ふらっと訪れてみようと思う場所ではないけれども、実際に行ってみたならば絶対に、気分が一新されるであろう場所ばかり」と、著者はオススメしていますが…。
著者たちの取材旅行は、現地にいた時間よりも、移動のための時間の方が圧倒的に多かったのではないかと思われます。ほしさんの「あとがき」によると、移動時間は寝ていたようですが、著者たちは、移動時間も楽しんでいたようでいたようです。

*1:『プレシャス』は、30代後半から40代の働く女性をターゲットにしたファッション情報誌、だそうです。  http://web-precious.com/