日生劇場十二月歌舞伎公演(夜の部)に行ってきました

日生劇場の「十二月歌舞伎公演」夜の部に行ってきました。

  七世松本幸四郎襲名百年日生劇場十二月歌舞伎公演
     http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2011/12/post_93.html


今月は、「七世松本幸四郎襲名百年」とあるように、七世松本幸四郎の曾孫である、市川染五郎尾上松緑市川海老蔵の花形役者3人が、七世松本幸四郎に所縁の演目を演じます。
夜の部の最初の演目、「錣引(しころびき)」は、初めて見ました。源平合戦を題材にした、だんまりとか、立ち回りとか、歌舞伎らしさのある舞台でした。
「口上」は、市川染五郎尾上松緑市川海老蔵の順で口上を述べます。3人だけ、素顔に紋付、袴姿の口上が珍しいと思いました。3人とも七世幸四郎の曾孫ですが、見た目はあまり似ていないのですが、それぞれに華があると思いました。1番目の市川染五郎が、七世松本幸四郎の略歴などを述べていて、神妙な口上だと思って聞いていたら、2番目の尾上松緑が、突然「自分以外の二人の女性関係は華やかです。…」云々みたいなこと言い始めて、びっくりしました。3番目の市川海老蔵が淡々と、この後の「勧進帳」のことなどを述べた後、市川染五郎が、「松録さんの女性関係も華やかです。」みたいなことを付け加えて述べていました。女性関係云々よりも、「口上」の舞台での尾上松緑の黒々とした眉毛が気になってしまったのは、私だけでしょうか?*1 そういえば、去年の今頃、市川海老蔵は、例の事件でニュースな人でした。
「口上」によると、3人が花道で六方を踏むので見比べて欲しいとのこと。今月は、昼、夜とも1階席にしたので、花道がよく見えます。
今月の公演の注目は、やはり「勧進帳」。おなじみの演目で、それぞれ演じたことがある役ですが、この組み合わせはおそらく初めてで、どういう舞台になるか楽しみでした。
3人のそれぞれの出のところの客席の拍手は、やはり、弁慶役の市川海老蔵が一番大きかったように思います。以前*2で観た時は、勢いがありすぎた感じの弁慶でした。その弁慶も、必死な感じが良かったりしたのですが。今回は、その時よりは、パワーは抑え目? 海老蔵が演じると、こういう弁慶もありなのかと思わせてしまう、不思議な役者だと思います。今回は、台詞のイントネーションやオーバーな感じの表情の動きが、時々、気になりましたが。そのせいか、山伏問答がやや盛り上がりに欠けたような気もしました。六方の引っ込みは、とても勢いがありました。*3
富樫役の尾上松緑、私が「勧進帳」の舞台を見たのは、おそらく初めて。最近、舞台姿も口跡も良くなってきたように思います。
義経役の市川染五郎は、貴公子とした姿で、役に合っています。
それぞれ、花形役者として成長しているし、何度か手がけた役であるので、3人の初顔合わせとは舞台ですが、見ごたえはあって面白かったと思います。ただ、それぞれが自分の役をきちんと勤めているものの、相手を受けて演じていないような感じもして、やや平板なところもあったように思います。これは、この3人に限らず、若手役者の課題なのかもしれません。
夜の部をみて、個人的に良いと思ったのは、「勧進帳」で四天王を勤めていた坂東亀三郎・亀寿の兄弟と太刀持ちを行儀よく勤めていた中村梅丸です。((尾上→坂東に修正しました。(2011.12.12) 記述ミス、大変失礼いたしました。)
昼の部は、新システムが稼動した後に観に行く予定です。



舞台が終わった後に通った東京宝塚劇場の前は、出待ちのヅカファンの方々でいっぱいでした。

*1:オペラグラスで、何度も確認してしまいました。

*2:たぶん、新橋演舞場

*3:映画「わが心の歌舞伎座」で、海老蔵の父親の團十郎が、「勧進帳」の弁慶で六方での引っ込みをした時の映像がありました。花道からの勢いのまま、揚幕の中で弟子に抱きとめられていた情景が、とても印象的でした。