『武器としての決断思考』

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)


この本は、ディベートの考えをもとにした決断思考を身につける具体的方法について、まとめた本です。
つまり、「好き嫌い」や「得手不得手」といった主観的な意見・主張はとりあえず横において、問題を賛否両方の視点から客観的に考え、問題の全体像を把握したうえで最終的な判断を下すための根拠を得る、というものです。
話題の本であることは知っていましたが、この本の著者が京都大学で行っている授業をまとめたものだということで、どちらかといえば、20代の学生・ビジネスマン向けの本という先入観もありました。
この本を読み終わって、仕事やプライベートでも、自分で決断しなくてはいけないことが少なくないO40世代にも参考になる本だと思いました。



自分で考え、決断するためにはどうしたらよいかというディベートをもとにした決断思考の具体的方法もありますが、

過去のやり方が通用せず、未来予測もうまくできないなかで、自分の人生や家族の将来を見据えながら、ひとつひとつ現時点で最善と思われる「意思決定」を行っていかなければなりません。(p.14)

プロフェッショナルな人材の条件(p.32)
(1)専門的な知識・経験に加えて、横断的な知識・経験を持っている
(2)それらを基に、相手のニーズに合ったものを提供できる

これからの時代における最大のリスクは、「変化に対応できないこと」です。(p.43)

先送りというのは一見、決断を先送りしただけのように捉えがちですが、実のところは、「決断をしないという大きな決断」をしたことに他なりません。(p.71)


など、耳の痛い指摘もあちこちにあります。


図書館系として、この本の中でチェックしておきたいのは、「6時限目 武器としての『情報収集術』」です。

証拠資料を使う時の注意点(p.196)
(1)証拠資料に頼らず、自分で考える
(2)関係のない証拠資料や、間違った証拠資料を使わない
(3)結論しか書いていない証拠資料は使わない(根拠が不明、もしくは希薄だから)

「証拠資料」というのは、「ディベートにおいて自分の主張を証明、補強するために使われる資料・情報」のことで、この本では、専門家の意見、マスメディアの報道、統計データ、海外事例、インタビュー内容を例示しています。(2)と(3)については、図書館におけるレファレンスでも当てはまると思います。

  • メディアもネットも、活用はしても、その情報を鵜呑みにしない
  • 原典にあたる

ということも、レファレンスでの基本として言われていることです。
いずれにしても、情報収集にあたっては、自分の頭と足をつかって「価値のある情報」を取りにいくことが重要であるとしています。



そういうわけで、先日、書店に立ち寄ったときに、この本『武器としての決断思考』と並べて平積みされていた著者の最新刊『武器としての交渉思考』を、早速、購入してしまいました。


武器としての交渉思考 (星海社新書)

武器としての交渉思考 (星海社新書)