神奈川県立川崎図書館に行ってきました

先週発表された、神奈川県立図書館および県立川崎図書館の機能集約・廃止の検討についてのニュースが、特に図書館関係者の間で話題になっているようです。

 神奈川県立図書館および県立川崎図書館の機能集約・廃止等についての検討(カレントアウェアネス・ポータル  2012年11月8日)
   http://current.ndl.go.jp/node/22274


神奈川県立図書館は、以前、見学に行ったことがあります。一方、神奈川県立川崎図書館は、レファレンスの際に案内することが多かったものの、行ったことはありませんでした。先日も、カウンターで、
国会図書館にあるのはわかっているけど、技報(企業の技術報告等の資料)のような資料を持っている公共図書館はないよね?」
との問い合わせに、神奈川県立川崎図書館を紹介したことがありました。*1 「自分で調べてみる」とおっしゃっていたため、神奈川県立川崎図書館の案内だけをして、お探しの資料名は伺っていないので、果たして質問された方が解決できたのかどうかは不明なのですが。


廃止が検討されている神奈川県立川崎図書館、実際にどういう図書館なのかを自分で見てこよう、ということで、神奈川県立川崎図書館に行ってきました。

  神奈川県立川崎図書館  http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/index.html


JR川崎駅から、約15分歩いて、神奈川県立川崎図書館に到着。
確かに、建物は古い感じがします。利用できるスペースは地下1階から4階までですが、来館者が利用できるエレベーターはありません。地下の化学文献室は利用に申込が必要との案内があったため、今回は1階から4階を見てきました。
1階のビジネス支援室。入口付近の書架には、ビジネス関係の雑誌のはか、資格関係の本が並んでいました。特許関係の資料や規格関係の資料がまとめて置いてある書架があったほか、Chemical Abstractsも書架に並んでいました。個人的に面白いと思ったのは、国内外の実業家の伝記が並んでいた書架です。名簿類は、最近、出版されなくなっているせいか、古いものが多かったように思います。1階の奥は「やさしい科学」のコーナーで、児童向けのコーナーになっていました。
4階の社史室は、狭い室に、社史がNDC順にぎっしりと並んでいました。書架の間は狭かく、少々、圧迫感がありました。でも、様々な会社の社史を一度に、しかも手にとって見られるというのは、非常に貴重だと思います。特に、社史は、非売品が多いので、これだけ揃えるのには、大変な苦労もあったのではないかと思います。時間があれば、書架をブラウジングしてみると、様々な会社の側面や、業界動向などがわかって、面白いのではないかと思いました。
3階の科学技術室。入口を入って、すぐに目に入るのが「サイエンスナウコーナー」。現在は、ノーベル医学・生理学賞受賞が決まった山中伸弥教授関係の資料が並んでいました。

  県立川崎図書館の山中教授コーナー好評(2012年10月26日)
    http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1210260018/


一角に、科学技術関係の雑誌コーナーがあって、本と雑誌を一度に見られるのは、調査をする利用者にとっては、とても便利だと思いました。ただし、閲覧席は、机が古いせいか、狭いように感じました。また、パソコン席(電源利用可)が、カウンターでの申込みが必要で、一人1日2時間までという制限は、ビジネスマンにとっては不便ではないかと思いました。ちなみに、私が行った時のパソコン席の利用率は2割くらいでした。
そして、なぜか、書架の片隅にたてかけてあったアルミ製のはしごが気になりました。また、館内のあちこちで、学校で使われている机を見かけました。
2階のミニ展示コーナーでは「進化しつづける電気洗濯機−その100年の歴史−」が行われていました。展示のテーマは面白いものの、展示ケース内も関連資料も、たくさん並べすぎているように思いました。もう少しゆとりがあった方が、見やすいように思います。


以上、駆け足で館内をひと回りしてみての感想。資料は非常に特徴があって面白いと思いましたし、特集棚もあって、見せ方も工夫をしているように思いました。ただし、建物が古いこともあって、来館者にとって使いやすいかという点では、最近開館した新しい図書館よりも、やや見劣りするかもしれません。


神奈川県立図書館のほか、都道府県立図書館関係では、大阪府立中之島図書館の廃止問題、埼玉県立図書館の再編*2のことがある一方で、本日、山梨県立図書館甲府駅前にリニューアルオープンしました。
都道府県立図書館の動向は、これからも注視していく必要がありそうです。

*1:質問を受けた日は、国会図書館は休みの日でした。

*2:http://mainichi.jp/area/saitama/news/20121020ddlk11010223000c.html