「図書館記念日」を前に、図書館サービスについて考えてみました

先日、ある会議で、大学で図書館情報学を教わった先生*1に、久しぶりに(大学卒業以来?)お会いしました。会議が終わった後、ご挨拶をし、自分の近況報告などをしました。
大学の授業で教わったことは、ほとんど忘却の彼方状態なのですが、この先生の、おそらく授業での最初のお話は、今でも覚えています。お話は、確か、
「図書館は、サービス業です。なので、本が好きなだけの人は、図書館では働かないでください。人にサービスをするのが好きな人が、図書館で働いてください。」
というような内容だったと思います。
この話を伺った時は、「自分は図書館員には向かないな。」と思ったのですが…。その後、図書館情報学実習で公共図書館のサービスに触れたことをきっかけに公共図書館で働くことを希望し、そして公務員試験を片手では足りないほど受験し、何とか司書として採用され、現在に至っています。
人生、何が起こるかわからないです。
そして、図書館はサービス業であることを日々実感しています。それから、図書館の中の人は、本が好きな人が多いと思います。*2


先生に会っったことで、昔のことを思い出し、帰りの電車で図書館のサービス(自分が働いている、公共図書館のサービス)について、あれこれ考えてみました。
図書館のサービスも、私が図書館で働き始めた頃(平成のはじめ頃)と現在では、いろいろと変わりました。今では当たり前の、OPACで図書館の蔵書を検索するということも、図書館で働くようになってからです。インターネットを図書館でも利用するようになったのは、2000年頃だったと思います。「検索」という言葉も、今では普通に使われるようになったけれども、最初の頃は、「検索」を別の言葉に言い換えたりしていたように思います。
そういえば、数年前は、インターネットを活用した図書館からの情報発信や非来館型サービスの充実、といったことがよく言われていたと思いますが、最近は、「場としての図書館」(=どうやって図書館に来てもらうか)が主流のような気がします。図書館としての建物があれば、図書館の来館者数がサービス評価の指標の1つとなります。でも、サービス対象区域の人すべてが図書館を利用できるとは限りません。地理的制約、時間的制約で図書館を利用したくても利用できない人がいます。その一方で、図書館の存在を知らない人や、図書館があることは知っていても、図書館がどんなことをしているかを知らない人もいます。利用者を増やすことは、図書館の永遠の課題のように思います。
おそらく、図書館サービスについて、これが正しいという正解はないのかもしれません。図書館サービスの成功事例として紹介されたことをそのまま取り入れるだけではだめで、自分たちの図書館が置かれた状況やニーズ等をきちんと把握して、「なぜ、このサービスをするのか」がきちんと伝わって受け入れられないと、単なる図書館(の中の人)の自己満足に終わってしまうように思います。そして、「自分たちはこんなにやっているのに…。」と愚痴る、悪循環…。
そういえば、大学では「図書館経営論」という授業を受けたけれど、経営、というよりも、公共図書館についての内容だったような気がします*3。図書館職員になって、最初の数年間は、目の前の仕事を覚えるので精一杯でした。図書館経営や図書館サービスの計画・立案ということについての研修は、図書館司書専門講座(国立教育政策研究所)で受けました。最近は、図書館総合展でも、指定管理制度とか、危機管理とか、図書館の経営に関する内容のものが増えているように思います。
そして、これからの図書館はどういうサービスをしていくのか、自分は図書館で何をしたいのか、図書館だからできることは何か、などと、いろいろ悩んでいるうちに、時間切れ。結論は出ず、迷宮入り(?)となってしましました。


明日、4月30日は「図書館記念日」。図書館は、いつもどおり開館しています。(明日は、出勤日)

*1:もう大学は退職されています。

*2:好きな本のジャンルなどは様々です。仕事上、必要な場合もあります。本については、いろいろ知っておいた方が良いと思います。

*3:現在は、どうでしょう?そもそも「図書館経営論」という名前の講義があるのかどうか?