『1万人の体験から学んだ「聞く技術」』


本書は、著者がビジネス関係を含めた多種多様な1万人以上の人から学んだ「聞く技術」をまとめた本です。
著者によると、どんな仕事でも高い業績を出す人は、「話す力2割、聞く力8割」の人だそうです。そして、人と人をつなぐものはコミュニケーションであり、「聞き上手」であることが、「話し上手」であることよりも重要であるだけではなく、ビジネスパーソンにとって最も重要なスキルが「聞く力」だそうです。「相手のことを考えない話し好きや話上手は迷惑以外の何物でもない」とし、相手の要望、そして「本音」と「建前」を予想しつつ、どのように当方との要望との折り合いをつけるかという「落としどころ」のイメージをつくっておかなければならない、としています。
この本には、「聞く技術」を高めるためのコツが紹介されていますが、同時に、

  • 数字で語る(数字やデータのほうが直感的に認識しやすい)
  • 比較で語る(「Yes or No」よりも「A or B」のほうが意思決定しやすい)
  • 身近なエピソードで語る(相手の頭の中でそのイメージやシーンが思い浮かぶように、相手にフィットした事例で語る)

というような「話す力」を高めるコツも紹介されています。


「聞く技術」については、おそらくはビジネスの場においての話を聞くコツの紹介なのですが、例えば、

まずはどんな場面でも相手の言っている言葉を真(ま)に受けてはいけません。言葉尻にとらわれすぎることなく、言外の意味をくみ取ることに集中するのです。(p.193)

相手の求めていることとその対応にズレが生じないためには、必ず相手の質問の意図、背景を推し量ること、早合点せずに最後まで相手の話を聞き切ることが不可欠です。(p.196)

もちろん、上司や顧客によっては質問の趣旨や意図がわかりにくい場合もあるでしょうから、その際は「一点確認なのですが〜」という聞き方、「相手の言葉を繰り返す」という聞き方で、相手の意図、その背景を明確にするようにしましょう。(p.197)

となどということは、もしかしたら、図書館におけるレファレンスの際の「聞く技術」とレファレンスインタビューの際に気をつけることでもあるのではないかと思いました。レファレンスの際も、相手が求めていることを把握して的確な回答を導きだすためにも、「聞く技術」を身に付けることが不可欠です。(そうは言っても、相手の求めていることにぴったりと当てはまる回答を導きだすのは至難の業だったりするのですが…。)