『職業、ブックライター。』

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法


チェックしているあるブログで紹介されていたのがこの本を知ったきっかけですが、タイトルになっている「ブックライター」という仕事に興味を持ったのが、この本を読んだきっかけです。
著者によると、ブックライターの仕事とは「著者の持つ優れたコンテンツを編集して文章化すること」だそうです。著者である経営者、コンサルタント、スポーツ選手、大学教授などの本の執筆を代行しているのですが、著者自身の経験、知見、ノウハウを十数時間の取材で引き出し、本の形にまとめる仕事であり、本の内容を構成する力や文章を書く力を著者に代わって提供する仕事であるそうです。
そして、ブックライターには、文章力よりも、「聞かなければいけないことを著者からヒアリングできる力」「大量の情報の中から必要な情報を整理できる力」「読者を想定して的確な情報を的確な順番で伝える力」の3つの力が必要なのだそうです。
そんな著者が大事にしていることは、本が売れるかどうかではなく、「いい本」を作ることだそうです。(p.89)
「いい本」を作るために、

まだ世の中にないと思えるような、読者の本当に役に立つ本が作れるかどうか。
世の中に新しいメッセージを、新しい価値を発信していくことができるかどうか。
著者が持っている貴重な情報やメッセージを、すべてうまく伝えきれるかどうか。
著者やブックライター、さらには編集者の思いが詰まった本にできるか。

をいつも考えているそうです。「良質なコンテンツがあり、読者の役に立たなければ、本を出す意味がない」(p.54)とも言い切っています。

面白いとは、すなわち独自性があり、その著者である必然性があるということだと私は思っています。加えていえば、今世の中に求められているもの。だからこそ本を作るときには、本全体に、その必然性を貫なかないといけないのです。そのためには、相場を知っておかなければいけない。現場の理解が必須になるのです。
そして独自性、必然性とは、経験や事実で語れるかどうか、ということだと思っています。だから、経験や事実をベースにした本にしなければいけない。つまり、経験や事実をどれだけ盛り込めるか、ということが重要になるということです。
思いやメッセージは、その先についてくるもの。経験や事実があって、生きてくるものなのです。(p.87〜88)


うまい文章よりも、わかりやすく、読みやすく、内容が理解しやすい文章が良いと、著者は何度も繰り返しています。

要するに、しゃべっているように書けばいいのです。「文章」を書こうとせずに、自分がもし相手に、読者に話しかけて説明するとすれば、どんなふうに話すか。それをそのまま文章にしてしまえばいいのです。なぜなら、文章は伝えるためのツールなのだから。(p.164)


私自身、わかりやすい文章かどうかをチェックするために、文章がスムーズにしゃべれるかどうか、ということを使うことがあります。話す時につかえてしまう文章は、自分でも「?」な文章で、相手にも何を伝えたいのかがわからないことが多いと思っています。

この本では、「ブックライター」の仕事と、本のコンテンツができ上るまでが紹介されていて、面白かったです。また、「ブックライター」である著者の書くコツや、スケジュール管理の方法なども紹介されていて、「ブックライター」の仕事に関心のある人だけではなく、「書くこと」のコツを知りたいと思っている人の参考にもなる本だと思いました。


この本のダイジェスト版(?)が、「上阪徹の"ブックライター"式文章法」として「現代ビジネス」のサイトに掲載されています。