「第10回レファレンス協同データベース事業フォーラム」に参加しました(その1)

2月17日(月)に、国立国会図書館関西館で開催された「第10回レファレンス協同データベース事業フォーラム」に参加しました。
当日の配布資料は、レファ協のページ内で公開されています。おそらく、6月頃に、フォーラムの記録集が公開されると思うので、詳細はそちらを見ていただいた方が良いとは思いますが、当日のメモをまとめてみました。ただし、私のメモからの要約であり、聞き入ってしまってメモをするのを忘れた部分もありますので、その点はご了承ください。

今回のテーマは、「教育と図書館の未来―レファレンス協同データベースと生み出す力」でした。レファ協事務局からの活動報告にもありましたが、本年度、学校図書館及び学校図書館関係団体が正式に参加対象となり、学校図書館へのアプローチも必要である、ということからこのテーマが選ばれたようです。また、データ登録増加に向けての取組、「みんなで手をたたこう」といったレファ協活性化のための取組などが報告されました。*1


■ 基調講演「情報社会と図書館の未来」(山梨県立図書館 館長 阿刀田高  

  • 現在、山梨県立図書館の館長を務めているが、山梨県とは何も関わりがなく、館長になるまで、どういう県かも知らなかった。知事からの依頼があって館長になったが、人事も財政も権限がない。主に、広報や講演会などを担当しており、自分も2回、講演会を行った。図書館で催し物をやることで、図書館に関心を持ってもらいたいと思っている。
  • 山梨県について勉強をしているところではあるが、県立図書館のある県庁所在地(甲府市)以外へのサービスについて、非常に難しいと思っている。
  • また、図書館に勤めることになるとは思っていなかった。久しぶりに図書館に戻ってみて、行政と図書館の関係が50年前と全く変わっていなかった。また、図書館自身も変わったが、変わっていない部分も多い。
  • パソコンでうった文章は、どこか、隙間があるように思う。手書きの方が、文章の密度が濃いような気がする。文章は、短く書くのが良い。書くかどうか悩んだ時は、削った方が良い。
  • 学校教育の中に、「手書き」は必ず残してほしい。漢字は日本の文化であり、感じ1つ1つに意味がある。
  • 図書館では、どれだけ電子機器が発達しようとも、紙の本はなくならない。電子的手段による情報と、紙の本による情報提供は、割合は不明だが、共存する。紙の本によるサービス(紙の本を保存し提供すること)と電子的手段による情報の提供、両方をやらなくてはいけない。
  • 昔の図書館は暗くて入りづらく、生活のための情報を得るということは少なかった。
  • 公共図書館は、専門的情報の提供(電子的サービスを期待)と娯楽・くつろぎといった生活のゆとりに関わるサービス(紙の本を期待)の両方が必要。
  • 館長になって、図書館の開架書架を歩いたが、楽しかった。本が自分に誘いかけてくるような感覚があった。
  • 人が知識を得るのは多角的であり、図書館の書架がまさにそのような感じ。知りたいことが決まっている人にはITが便利だが、ぼんやりとした知りたいという欲求は、自分の求めている情報の周辺分野から得られることが多い。(serendipity
  • 一生懸命研究をしながらよそ見をする人は、水平方向にも物をながめることができるので、才能が広がりやすい。
  • 図書館は人間がいないとだめ。人が介して情報を結びつけることで、役に立つ情報を手に入れることができる。図書館員の役割は非常に大きい。情報を求める人のニーズを把握して情報を提供することが求められる。
  • 図書館は、学校教育のスタンダードから少しはずれた子供も支援していく必要があるか。 


■ 実践報告(1)「高校図書館でレファ協を使い倒すために(神奈川県立横浜南陵高校図書館 田子環)  

  • 各高校に学校司書が配置されている。
  • 神奈川県学校図書館員研究会のホームページ」の掲示板を活用して、相互レファレンスを行っている。古い情報は消えてしまうため、年1回、まとめた冊子を作っていたが、情報が探しにくいという欠点があった。ネット上にデータベースがあった方が便利かも、ということで、レファ協に団体として参加することになった。
  • 学校ならではのレファレンス
    • クイックレファレンス(その場で答えないと、生徒があきらめてしまう)
    • 高校生にも読みやすい本、わかりやすい本が求められる
    • 特定テーマに関する本の紹介(ブックリスト)
  • ログインしないと見られないというのは、ハードルが高い。「参加館公開」も「一般公開」も、外部に公開するという意味では同じ。
  • 有志6人で運営しているが、組織として維持していく体制づくりが必要か。


■ 実践報告(2)「レファレンス協同データベースと高等教育:ラーニング・コモンズ及び図書館司書課程での活用を通じて 」(同志社大学 学習支援・教育開発センター 助教 岡部晋典高校図書館でレファ協を使い倒すために)

  • 大学のラーニング・コモンズ内での学習相談(レファレンスのちょっと先?)を担当している。
  • 実例を見せて、重要ポイントをおさえる。そのため、回答プロセスは大事。
  • レファ協を使えば、楽しく役に立つ。そんな講義デザインは簡単にできる。よって、自分にとって、レファ協は便利、というより、もはやインフラである。


■ 実践報告(3)「レファ協の活用と地域の魅力の再発見について(豊中市立図書館 石田ひろ)

  • 本を探すのは、自分で探す。図書館の外からは探しにくい情報−地域のPR(=地域情報)、子どもたちの情報活用(=学校教育)、大人の情報活用(=汎用性)−をレファ協に登録して見せる。レファ協に登録することで、どこからでもアクセスできる。
  • 月始めにまとめて事例の登録・公開作業を行っている(月30件くらい)。事例の内容は、所属長のチェックが入る。
  • レファ協活用の長所
    • 検索サイトから探しやすい(図書館に来なくても探せる)。
    • 参加館からコメントがもらえる。
  • レファ協の短所
    • 本から事例が探せない?
    • 心理的なハードルの高さ?
  • 反応からニーズを確認できる。図書館は、目的がなくても来られる、敷居の低い施設である。


■ 実践報告(4)「教育図書館におけるレファ協効果」(国立教育政策研究所教育研究情報センター教育図書館 鈴木由美)

  • レファレンスは、レファ協に登録することを念頭にしている。回答プロセス、検索キーワードはメモしておく。そして、まずは、メモ的に、ポイントとなる部分を登録している。
  • 資料紹介の場合も、回答そのものを書くようにしている。
  • 回答プロセスが大事だと考えているので、回答プロセスの部分も長くなってしまう。
  • 2週間〜1か月に一度、更新する。
  • レファ協に事例を登録することで、多くの人に情報提供ができる。


レファ協フォーラムは、この後、パネルディスカッションへと続くのですが、ちょっと長くなったので、今日はここで打ち切ります。残りは、また後日に書こうと思っています。

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