『図書館で調べる』(ちくまプリマー新書)

図書館で調べる (ちくまプリマー新書)

図書館で調べる (ちくまプリマー新書)


著者は、神奈川県立川崎図書館の司書である高田高史さん。図書館での調べ方を、ご自身のレファレンスの経験やノウハウを紹介しながら、図書館での調べ方のコツを説明しています。調べ方については、「自分と同じ調べ方だー。」と思うものが多かったです。

図書館を使いこなしたいと思っている方は、労を惜しまず歩き回ってください。どこかで思わぬ記載が見つかるかもしれません。図書館での情報は「足で稼ぐことも必要です。(p.38)

デジタルの世界にある情報はとても膨大ですが、その情報を受け取るモニターの広さは限られています。携帯端末は言うに及ばず、パソコンでも普通なら二〇インチくらいでしょう。そのモニターを通して情報を探すときは、たいていキーワードで検索して、検索結果の一覧から関係ありそうなものを見ていきます。これはピンポイントで情報を拾いだすのには効果的ですが、物理的にどうしても全体を俯瞰するような情報の把握は難しいように思えます。(p.92)


第2章で、検索のコツも紹介していますが、必要な情報を検索だけで見つけることが困難な場合もあります。そんなときは、書架をブラウジングして、気になった本を次々にめくって探すことになります。検索でヒットしなかったから「ない」わけではない。レファレンスは限られた時間で行うので、どうやって効果的に情報にたどりつくか、試行錯誤の毎日です。
確かに、図書館のOPACで検索できる情報は限られています。でも、全文検索ができるようになれば、検索だけで必要な情報を探し出せるかどうかは、わからないと思っています。

内容をもとに考えていくだけでなく、知りたい情報を発信しているのはどこなのかに注目してみるのも時として有効です。新聞を例にすれば、スポーツの結果を知りたいときはスポーツ新聞を見て、ビジネスの動向を知りたいときは日本経済新聞をみるでしょう。まず、逆にはなりません。(p.116)


確かに、情報の発信源には注意が必要です。これは紙媒体だけではなく、インターネット情報も同じです。

図書館員がレファレンスで調べているときは、その質問だけに延々と関わっているわけにはいかないので、一冊読んで基礎力をつけてから対応するような調べ方は、まずできません。そうした調べ方ができるのは調べている本人だけです。(p.136)


これは、本当におっしゃるとおりです。専門図書館の方は違うと思いますが、公共図書館の司書の知識は、広く浅く、でしょうか。でも、この分野だったら自分は詳しいと思える分野を作っておくと良いのではないかと思っています。

物事を調べていくのには、広く浅い見方が必要な時と、掘り下げる見方が必要なときがあるような気がします。県立図書館や大学図書館などには、専門書や雑誌も多いので深く探求していくことができますが、普通の公共図書館ではそこまで深く掘り下げた調べものはできません。そのかわり幅広い分野の本が並んでいるので広く浅く調べるのには適しています。広く浅く立ったら程度の差はあれ、どこの図書館でも対応できます。小学生や中学生の自由研究で深く専門的に調べていくのには難しくても、広く浅く立ったら取り組めるでしょう。大学生になって卒業論文を書くときや、仕事で綿密にリサーチする必要があるときはともかく、それまでは広く浅く物事を見る力を養っておいてもいいかもしれません。(p.149〜150)


著者の言うとおり、「情報の探し方は多様でなくてはならない、そのためにも図書館は必要」だと、私も思っています。

この本は新書なので、学生さんを含めた一般の人向けの図書館での調べ方のノウハウ本ではありますが、公共図書館で働く若い職員には、ぜひ一読をお薦めしたいと思った本です。