『「働き方」の教科書−「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本』


著者つながりで、『本の「使い方」』を読んだ後に手にしたのが、この本『「働き方』の教科書』でした。

 四〇代の人にとって五〇歳は目の前ですが、二〇代、三〇代の人にとっては、まだまだ先のことに思えるかもしれません。しかし人生はあっという間です。五〇歳が人生の真ん中であるという認識に立って、五〇歳までをどう過ごすか、五〇歳からをどう生きるかを考えておくことには意味があるともいます。
 五〇代は無敵です。僕はそう思います。なぜ無敵なのでしょうか。その理由を、本書のなかであきらかにしていきたいと思います。(p.13)

著者によると、50歳という年齢は、「自分の来し方を振り返り、この先自分がどう生きていくかを考える折り返し地点」だとのことです。つまり、自分の行き先が見え、子どもの行く末も見え、人生におけるさまざまなことが見えるようになってくるのが、「50歳」という年齢だそうです。

 チャンスは何度でも訪れるという考え方は、理屈の上だけの世界です。
 現実の人生では、人間にはそれほど多くのチャンスが与えられているわけではありません。むしろ、ほとんどが「一期一会」なのです。僕が人生を「悔いなし」と表現するのは、思ったときにやっておかなければ、次のチャンスが来るとは限らないからです。次のチャンスが来なければ、必ず悔いを残します。(p.17〜18)

これは、確かに著者の言うとおりです。私自身、やったことで後悔するよりも、やらなったことで後悔するすることの方が、後悔が大きいように思います。ただし、ためらって動けないこともあるのですが。

 人生は、トレードオフです。二つのものを同時に手に入れることはできません。何かを手に入れれば、何かを失うのです。(p.56)

トレードオフで大事なのは、選ぶよりも捨てること。一定のキャパシティーの中には一定のものしか入らない。だからこそ、何か新しいものを入れようと思ったときには、先に何かを捨てなければならない。そのための決断をスムーズい行うには、トレードオフを正しく理解し、どちらかを選ぶための情報をできるだけ多く集め、どちら選ぶかという決め方(マイルール)を決めておくことが大事なのだそうです。

 では、仕事の質を上げるためにはどうしたらいいのでしょうか。
「元気に明るく楽しく」
 僕はそう思います。元気で明るく楽しく仕事ができてはじめて、お客さまに心のこもったサービスが実行でき、お客さまが増えると考えるからです。お客さまが増えれば増えるほど、株主をはじめとするステークホルダーも喜ぶという好循環になります。(p.84)

そのためには、「仕事はどうでもいいことだと割り切ること」と著者は述べています。ただし、これは「いい加減に仕事をすること」ではなく、仕事とそれ以外の人生が3:7で、仕事がすべてではないのだから、自分の考えたことを言い、やりたいことを思いきってやることだそうです。組織の中では、難しそうですが。


第3章は「二〇代の人に伝えたいこと」、第4章は「三〇代、四〇代のうちにやっておくこと」、第5章が「五〇代になったら何をするか」となっています。

 「二〇代は自分一人でやる仕事のやり方を覚え、三〇代では人を使いながらチームで仕事をすることを覚え、四〇代では組織を率いることを覚える」
 すると五〇代になった段階では、仕事のやり方のノウハウはすべて身についていることになります。人間と人間がつくる社会を理解し、人やチームの動かし方がわかっていて、リスクもあまりないということは、外の世界に向かって飛び出す準備ができたということなのです。(p.162)

私は、50代が見えてきた40代ですが、読みながら自分が20代、30代、40代をどう過ごしてきたか、考えされられることもしばしば。無敵の50代になるには、いろいろ足りないようです…。

 自分の周囲の世界をどのように理解し、何をどのように変えたいと思い、自分は今のポジションで何を担って生きていくのか。それが人間のとるべき生き方であり、働く意味なのです。(p.252)

 広がりを持たせるためには、まずは自分の「コア」が大事になります。自分の働いているところであり、自分の住んでいるところであり、そこを離れては生きていけないところのことをコアと考えます。
 自分のコアから世界を広げる方法は、それぞれ自由でいいと思います。(p.254)


この本には、今までの自分の働き方と、これからの自分はどう働いていくのかを考えるきっかけがたくさん詰まっていたように思います。