『情報の「捨て方」』


この本のタイトルになっている、「情報を捨てる」ということ。世の中に情報があふれかえっている現代社会だからこそ、情報を選びぬくことが必要であり、自分にとって不要な情報をシャットアウトするとともに、不要な情報はどんどん捨てていくこと。この本では、著者なりの情報の集め方、選び方、捨て方が紹介されています。


第1章は、情報の入手の仕方について。情報を入手するためには、情報を得ようとする姿勢を持つこと。そして、「真実」も「事実」を重視する、行間を読むといった情報を得るためのコツのほか、ウェブニュース、国際雑誌、BSテレビなどの著者が情報源とするものとのつきあい方を紹介しています。
第2章は、情報の見極め方について。著者によると、繰り返し貴重な情報に触れることが、情報を見極める力を培うのだそうです。そして、そもそも触れなくてもいい情報、あまり積極的に摂取すべきでない情報について、著者は以下のように説明しています。

 それは、自分からはアウトプットしたいと思われないような情報です。文章に書いたり人に話したりしたくない情報です。
 こういった情報を仕入れ、さらに深堀することは時間の無駄でしかありません。自分で「出さない」(出す予定のない)情報は、最初から「入れない」のです。
 世の中は、もっと有用で面白い人生を豊かにしてくれる情報に溢れているのだから、関わっているのはまさに時間の無駄。見かけてもスルーするに限ります。(p.75〜76)


ウソ情報を遠ざける習慣として、著者は

  1. その情報の発信時期を確認する:新しい驚くべき情報に触れたら、その情報が発せられたのはいつなのかを確かめる。
  2. 情報のウラ取りをする
    • 「ウソだろうけど、本当かもしれないから念のため調べてみる。
    • 別の正解の可能性を探す。
    • 複数のソースに当たる。

ということを挙げています。さらに、いつ発せられた情報かわからない、ウラ取りができない場合は、

  1. 時間軸で探す:何かが起きたら、普段はそこで何が起きているかも調べる。
  2. 対立軸で比較する:反対意見も探す。

ことを紹介しています。このような、情報について調査することは、図書館のレファレンスの調べ方にも似ていると思いました。


第3章は、情報の「非整理術」について。デジタル情報とアナログ情報の、著者の情報管理術が紹介されています。


第4章は、情報の「噛み砕き方」、つまり、情報の解釈の仕方について。

 ひとつの情報は、独立した点として捉えない。
 その周辺にある情報からなる情報群の一部であると考える。
 こう心がけるだけで、情報を研ぎ澄ます、あるいは精度を高めるという発想が生まれてくるのではないでしょうか。
 つまり、日々、見聞きしている情報はあくまで点で、大きな流れや構成の中の一部に過ぎないのです。(p.132) 


第5章は、情報を「生み出す」ことについて。情報を受け取るだけではなく、情報を発信することの重要性について述べています。情報発信することは、自分の中で情報を整理することに等しいと著者は述べていますが、これについては、私も同じように思っています。自分自身がうまく実践できているかは怪しいのですが、繰り返し発信することで情報発信術が向上することを信じて、このブログも続けています。「書いて、残しておけば、後から見直すことができる」という、自分自身のための情報発信でもあるということも、このブログで実感しています。


第6章は、情報を「活用する」ことについて。

 忘れたつもりでも、何かのきっかけで、あれを食べた、どこで誰と食べたと記憶はよみがえります。その食事の記憶は、まるで教養のようです。身に付けるつもりはなく摂取してきたものは、年月を経るうちにいつの間にか、豊かな人生を送るのに欠かせない教養と呼ばれるものに変貌を遂げています。
 情報を入手し続けることの目的は、得た情報を活用することよりも、むしろ、情報に負けてしまわない基礎体力を作ること、そして、いつか思い出せる教養という名の思い出を蓄積していくことだと言っていいでしょう。(p.163)


人生を無駄にしないためにも、無駄な情報は捨てる。情報があふれる現代社会で、効率的・効果的な情報収集を考えている人には、この本で紹介されている著者のノウハウは、参考になるのではないかと思います。