脱「無料貸本屋 図書館の挑戦(日本経済新聞 2016年1月23日朝刊)

昨日の日本経済新聞朝刊文化面に、「脱『無料貸本屋』 図書館の挑戦 集客、人気に頼らない お薦め展示蔵書を発掘」という記事がありました。(電子版は有料記事になっていましたので、記事へのリンクははりません。)
土曜日の日本経済新聞朝刊文化面には、時々、図書館関係の記事が載りますが、今回の記事は、資料費が厳しい中、利用者を増やすため、お薦め本の紹介をしたり、イベントを開催したりといったことをしている、といったような内容でした。

 人気作家の新刊小説など売れ筋本を大量に購入する図書館は多い。利用者からの要望に応えるためだが、市場縮小に悩む出版界からは「無料貸本屋になっている」との批判の声も上がる。予算が減らされる中。、求められる役割は増えるばかりの図書館。ベストセラーの品ぞろえとは別の形で期待に応えようとする現場の奮闘を追った。


この記事で紹介されている図書館は、伊万里市民図書館小布施町立図書館まちとしょテラソです。図書館名はありませんが、埼玉県桶川市の商業ビルにできた書店が併設された図書館として紹介されているのは、桶川市立駅西口図書館ではないかと思われます。

私は、この記事を読んで、出版界からのベストセラー本を複数購入して貸出していることへの図書館への批判と、利用者増のために図書館が取組んでいる図書館でのイベント開催や本の紹介展示を無理矢理結びつけようとしているような感じがして、記事を書いた記者の方が、どういう問題意識を持って取材をし、記事を書いたのか、記事の意図を読み取ることができませんでした。


図書館の予算が厳しい中、図書館が利用者増のためにイベントを開催したり、本の紹介展示に力を入れているのは事実で、実際にやってみて、結構大変です。図書館が持っている資料をどう見せて、利用に結びつけていくか、という資料の展示は、キーワードで検索をして資料を集めて並べるだけではだめで、なぜこの本を選んだのか、1冊1冊確認しながら選んでいくことになります。このため、同じテーマで本を選んだとしても、図書館員によって選ぶ本が異なり、見せ方も違ってくるのではないかと思います。そして、その図書館がある地域によって、選ぶテーマも異なってくるのではないかと思います。私も、図書館に行った時にテーマ展示を見て、「このテーマでこういう本を選ぶんだ」と新たな発見があることもあります。


個人的には、利用者さんからの質問に資料で答えるのがレファレンスではなく、地域の課題やテーマに対して、「こんな本があります」と紹介するのもレファレンスの1つなのではないかと思っています。

図書館が行っている本の展示について、ホームページにリストを掲載している図書館もありますが、展示が終わると、ホームページからリストがなくなってしまう場合もあり、もったいないな、と思います。せっかく作ったリストなので、何かデータベースにでも登録して、他の図書館でも参照できるようにしてはどうか、と考えて思いついたのが、レファレンス協同データベースレファ協)に登録してはどうかということです。レファ協に登録するものは、レファレンス事例、調べ方マニュアル、特別コレクション、参加館プロファイルに区別されています。レファレンス事例や調べ方マニュアルに、「○○に関する本」のような形で登録されていることもありますので、展示資料リストも事例としてもっと登録してもらってもいいのではないでしょうか。同じテーマで、複数のリストが登録されていても、全く構わないと思います。


最近は、書店でも特集棚を作っている書店が増えています。書店の切り口は図書館とも違っていて面白く、参考にさせてもらっています。