トークイベント『ささえあう図書館』@東京堂ホール

2月26日(金)に、東京堂ホールで行われたトークイベント「『ささえあう図書館』−TSUTAYA図書館からは見えてこないもの」に参加しました。

ささえあう図書館 「社会装置」としての新たなモデルと役割 (ライブラリーぶっくす)

ささえあう図書館 「社会装置」としての新たなモデルと役割 (ライブラリーぶっくす)


『ささえあう図書館』の発行を記念して、監修者でアカデミック・リソース・ガイドの岡本真さん、執筆者の一人で、『走れ!移動図書館』の著者でもある鎌倉幸子さん、『つながる図書館』の著者である猪谷千香さんによるトークイベント。すでに岡本さんがtogetterまとめを作っています。
以下は、私自身の当日の振り返りのための記録です。私自身がメモできた範囲となりますので、当日の発言と違う部分があるかもしれません。また、TSUTAYA図書館に関することなど、一部オフレコの部分は除いたつもりです。メモをおこしていたら長くなってしまったので、質疑応答も省略しました。ご了承ください。


岡本さん

  • 『ささえあう図書館』について
    • 図書館に関する本は、図書館関係者向きになりがちだが、この本は、一般の人に読んでもらうことを意識して作った。
    • タイトルは、猪谷さんの『つながる図書館』を意識している。『つながる図書館』は一般の人によく読まれており、図書館論でこれだけ売れたのは、菅谷明子さんの『未来をつくる図書館』(岩波新書)以外にないのではないか。
    • これからのトレンドは、一般の人に図書館をわかりやすく伝えていくこと、図書館の可能性を知ってもらうこと。『ささえあう図書館』では、図書館とそのユーザー、図書館が行う支援のあり方を描いた。ライターの人選も良かったのではないか。
    • 原稿をチェックしたのは青柳先生。自分は、スタートと最後の総チェックを行った。
  • 一般の人に図書館を知ってもらうことにより、図書館を支援していただくようにしたい。


鎌倉さん

  • 東日本大震災から、もうすぐ5年になる。
  • 移動図書館事業は、本を手にする機会の創出のために行った。『走れ!移動図書館』では、震災の際に移動図書館事業を行うためのノウハウを書いた。「あれがないからできない」ではなく、「ある物で行う」。
  • 被災地では、建物の被害だけではなく、図書館の人が亡くなるという人的被害もある。図書館のノウハウがない中で、新しい図書館が作られていくのはどうかと思う。これから、図書館を立ち上げる時の方が大変なのではないか。
  • 津波で、図書館だけではなく、書店も流されてしまった。本に触れない生活をしたら、本に接する経験もなくなるのではないか。
  • 移動図書館事業は、2011年7月17日からスタート。軽トラにコメリで買った本棚を板に固定したものを乗せた。軽トラは、ガレキの中も走ることができた。
  • 本の選び方にについて。2、3か月先を想像して本を選ぶようにした。被災された方が、新しい環境で、どういう本を必要としているのか。
  • こちらから近づいていく図書館の形が、「移動図書館」だと思う。


岡本さん

  • 「ささえあう」について。支える側は、支えてもらっている側でもある。支援活動をそしている中にはつらいことも多い。支援活動の中で、支援をしている人達に、支えてもらっている。


猪谷さん

  • 『つながる図書館』を書くきっかけが、東日本大震災。出産で、現地にいけないもどかしさがあった。また、自分が日常的に使っていた図書館があっけなくなくなってしまったことがショックだった。
  • 図書館は、普段は気付かないが、なくなってみて、自分達の生活に必要なものだと気付く。
  • 最初は、震災後に立ち上がったデジタルアーカイブについての記事を書いていた。
  • 図書館のことを調べ始めたらおもしろくなり、また、図書館の多様性に気付いた。『つながる図書館』では、一般の人達は知らない、これまでの図書館とは違う図書館を書いた。一般の人は、自分のところの図書館しか知らないが、他の図書館のことも知って欲しいと思う。
  • 図書館は孤立してはいけない。他のところとつながっていった方が、より使いやすい図書館になる。
  • 図書館の紹介


岡本さん

  • 「READY FOR」で、図書館の支援を募ると、90%くらいが成立している。これは、図書館を支援したいと思っている人が、図書館が考えているよりも多いということ。
  • クラウドファンディングは、立ち上げ資金の調達には良いが、継続的な資金の調達には向かない。
  • 図書館は、やりがいと意欲だけでは食っていけない。
  • これからは、図書館リテラシーを持った市民、良い図書館を良いときちんと評価できる市民を増やすことが必要。そのためには、図書館に行くこと。他の図書館に行くことで新たな気付きがあり、自分達の町の図書館を評価することができる。良い部分も悪い部分もきちんと評価をすることで、最強の図書館が生まれるかもしれない。