『着かた、生きかた』

着かた、生きかた

着かた、生きかた



著者の『服を買うなら捨てなさい』は、自分自身の服とのつき合い方を考えるきっかけになりました。
久しぶりに書店をのぞいたら、『服を買うなら捨てなさい』と並んで、この本『着かた、生きかた』が置いてありました。赤系ファッションのイラストがカバーの前著と、青系ファッションのイラストがカバーのこの本。著者によると、「楽に効率よく『おしゃれパワー(体力、気力、財力)」を使ってスタイルを見つける方法」を考えて書いたのだとか。

 たとえば、「今はこれが流行り」「これがイケてる着こなし方」「これぞ定番、マストハブ」と言われても、それが自分に似合わなかったり、好きでなかったりするなら、手を出す義務や必要は、まったくありません。
 誰かに言われるままにそのアイテムを手に入れたところで、もしあなたがおしゃれに見えず納得できなかったら、それはあなたにとっての「マストハブ」ではないのです。
 「私も持っておいたほうがいいかしら」と思って手を出そうとする前に、落ち着いて考えてみましょう。(p.14)


前作同様、著者は、この本でも、無理をして流行にのる必要はなく、自分の苦手なことや好きではないことは「切り捨てる」ことを薦めます。それは、時間もエネルギーも限りがあるから、頑張りどころを絞って要領良くやることがおしゃれだけではなく、何事においても肝心だから。「スタイリストさんが、こんなこと言ってもいいの?」
と前作を読んだ当初は思いましたが、今は、「自分が納得できなければ、無理して流行の服を着なくてもいい」という著者の考え方に賛同しています。


そして、この本では、おしゃれのベースとして「心地よさ」を提案しています。
自分にとって心地よいおしゃれというのは、「自分が気に入っていて、素敵でいられて、自分の生き方や志向にも合っているファッション」のこと。

 どんな状態を心地よく感じるかは、その人が学生なのか、社会人なのか、結婚しているのか、いないのか、子供がいるのか、どこに住んでいるのかなど、その人の置かれた環境や立場によって当然違ってきます。
 コンフォート・ゾーンとは、その人が、自分にとって無理や負担がなく、着ていて気分が上がるおしゃれがどこからどこまでなのかを示すゾーニングです。
 その人の持つ(1)体力+気力、(2)お金、(3)時間という3つの要素、そこに(4)好み、(5)場と相手というオプションを加えて考えます。(p.53〜54)

 ですが、トレンドとか流行りものというのは、料理の薬味のようなもの。入れすぎるとおしゃれを台無しにしてしまうし、足りないと味気ないという、さじ加減が難しいものです。(p.114)


「生きる」と「着る」は同じことであり、つながり合っている、と著者は言います。

 考えてみると、自分がイケているときはイケている服を着ているし、イケている服を選んでいるものですが、反対にダメなときはダメな格好をしてしまっているもの。「人は見た目じゃない」と言いますが、内側の状態はそのくらい、表に現れてくるものです。(p.152)


きれいな格好をしたり、きちんとヘアメイクをしたりすることで、心を上向かせることもできる。確かに、そのとおりだと思います。
前作同様、服とのつき合い方を考えるきっかけを与えてくれる本だと思いました。