レファレンスについて、あれこれ思ったこと


先週、新規採用職員(司書)にレファレンスの説明をしたことは昨日のブログでふれましたが、説明をしたことで、レファレンスに対する自分なりの考え方が整理されたような気がします。


初めてレファレンスを担当することになったという方は、司書の資格をとるにあたって、大学などでレファレンスの授業を受けていると思いますが、授業と実際のレファレンスはかなり違うので、最初は戸惑うのではないかと思います。私自身もそうでした。レファレンスについては、図書館で働きはじめて、実際に仕事でレファレンスを行いながら様々なスキルを得てきたと思っています。
レファレンスでは、何を聞かれるか、全く予想がつきません。私自身、毎日、ドキドキしながら対応しています。自分の知らないことについて聞かれるのが普通で、
「それ、何??」
「そんな資料、図書館にある??」
「どの資料を見たらいい??」
などと思いながら、検索をしたり、調査にあたったりすることがほとんどです。
それに、レファレンスの経験は長くてもすべての質問にちゃんと対応できているかと聞かれれば、全くそういうことはなくて、得意分野と不得意分野があるのではないかと思います。私の場合は、ビジネス系や法律系は苦手です。でも、苦手だからといって、そのような質問を避けて通ることはできず、当たってしまった場合は、必死になって調査をしています…。


レファレンスの説明をする際には、
「質問を受ける際は、必ず復唱しなさい。」
と言っていますが、これは、復唱することで質問の内容を確認するだけでなく、そばにいる職員にも聞いてもらい、手助けをしてもらうためでもあります。自分は初めての事例であっても、そばにいる職員は前に同じような質問を受けたことがあって、調査の手がかりをもらえるかもしれませんし、どういう調べ方をしていったら良いか、アドバイスをくれるかもしれません。
私自身も実践しています。周りから助けてもらうこともあるし、自分がアドバイスをすることもあります。


それから、現在は蔵書検索で資料を探すことが簡単にできるようになりましたし、インターネットでを使って便利に調査ができるようになりましたが、図書館の“紙”の資料もまだまだ現役です。図書館にある参考図書だけではなく、様々な資料についても実際に手にとって、覚えて欲しいと思います。もちろん、図書館の蔵書すべてを網羅的に覚えるのは無理ですが、それぞれの分野の参考図書や基本的な資料は覚えておいた方が良いと思います。


レファレンスのスキルアップのために、「レファレンスの記録を読むこと」もすすめています。
他の職員が、受けたレファレンスをどのように調査をし手回答をしたか、レファレンスの記録を読むことで知ることができます。できれば、記録を読むだけではなく、実際にそのとおりになぞって調査をしてみても良いかもしれません。それによって、「この参考図書はこういう時に使うのか」とか、「このような質問の時は、この資料を見ればよいのか」とかを知ることができます。私も、先輩職員のレファレンスの記録を読んで、資料やレファレンスの手法を学びました。
レファレンスの記録を残しておくことは大事です。レファレンスを受けたら、きちんと記録をとるようにと職場では言っています。勤務館では複数の職員が交替でレファレンスを行っているため、調査をした人と回答をする人が違うことがありますし、調査も引き継いで行うことも多いと思います。記録することは、特にレファレンスが立て込んでいるときなどは面倒ですが、どういう質問を受けて、どこまで調査をしたかがわからないと、トラブルの原因になることもあります。このため、ほかの人がレファレンス記録(質問内容、調査プロセス、回答内容)を読んで、すぐ理解できるように記録するように言っていますが、なかなか難しいです…。


レファレンスの記録としては、「レファレンス協同データベース」もあります。
レファレンスの手がかりとして参考にするものもありますし、読んでいて面白い事例もあります。自分だったらどう調査するかとか、勤務する図書館にある資料で調べる場合はどうするかとか、考えながら読むこともあります。


レファレンスの調査のプロセスは1つではないと思います。
レファレンスの研修などで事例を学びますが、事例と全く同じ質問は、まずないと思った方が良いと思います。また、質問者がどの程度の回答を求めるかによっても異なります。すべてが応用問題です。
どのように調査をしたらよいか、どの資料を見たらよいかは経験によって身についたことも多いかもしれません。ベテランの職員が資料を知っていたために即答できた事例でも、新人の職員は何をどう調べたらよいかがわからず、未解決になってしまうことがあるかもしれません。ベテランの職員であっても、最初からうまくできていたわけではありません。何度も失敗し、経験を重ねながら覚えていったことがほとんどです。


インターネットで便利に調査ができるようになりましたが、まだまだインターネットでは調べられない、調べきれないことも少なくありません。私自身は、図書館のレファレンスはまだまだ役に立つと思っていますし、図書館の重要な業務だと思っています。
そのためにも、自分自身のスキルアップをこれからも図っていかなくてはいけない、と改めて思いました。