『女を観る歌舞伎』

女を観る歌舞伎

女を観る歌舞伎


この本は、「女性の視点で見た歌舞伎の女形」についてのエッセイが収録されています。
歌舞伎で女性を演じているのは男性。わかってはいても、歌舞伎の女形は、私たち女性以上に女らしく、女形に魅せられることも少なくありません。

 私を「面白い」と思わせたのは、やはり女形の姿でした。大胆なお姫様、豪奢な傾城、一途な町娘。通でも見巧者でもない私は、美しい着物を着た女形が、泣いたり苦しんだりする姿に、目を奪われたのです。
 男性戯作者が江戸時代に描いた、古典歌舞伎。そこで描かれる女性像というのは、その時代に女性がどんな存在であったか、そしてどんな存在であるべきであったかを示します。さらに歌舞伎に登場する女達からは、その時代の男性が、女性のどこを恐れていたかも、透けて見えるような気がするのです。
 お姫様も傾城も、現代には存在しません。しかしそんな女性達の精神性は、今に通じるものもあるのでした。頭に大量の簪を刺したような人と自分とに共通の感情を見つけると、「ここに仲間がいたとは」と、嬉しくなるものです。
 対して、全く理解できない女性心理も、歌舞伎では描かれています。「何であなた、そんなことをしてしまうの」「それはいくら何でも」と言いたくなるような女性もいるのですが、しかしそんな女性たちもまた、確かに私達の源流なのです。(p.2〜3)


この本でも、筆者の鋭い視点で、歌舞伎の女性達を分析して見せます。「こういう観かたもあるのか…。」と感心した点も少なくなかったです。


いずれにしても、歌舞伎はおもしろい。同じ演目で「またか」と思っても、演じる役者さんが違うと、全く違う舞台になります。
歌舞伎を観るきっかけは、何でも構わないと思っています。私自身、友達に誘われて歌舞伎座に行き、「よくわからないけど、面白いかも?」と思ったのが、歌舞伎にはまったきっかけだったように思います。それからほぼ毎月、歌舞伎を観に行くようになりました。