『他人をバカにしたがる男たち』


この本のタイトルや、帯に書かれた“職場に社会にはびこる「ジジイの壁」の正体”という言葉から、年配の男性を批判した本のようにも見えますが、この本が取り上げる「ジジイ」とは、ジジイ的なるものの象徴であり、年齢的なものや男性だけを指しているわけではなく、男性を批判しているわけではありません。

 50代でもジジイじゃない男性はいるし、女性や若い人の中にもジジイはいます。
 つまり、「ジジイ」とは「自分の保身のため」だけを考えている人、組織内で権力を持ち、その権力を組織のためではなく「自分のため」に使う人です。「会社のため」「キミのため」というウソを「自分のため」につき、自己の正当化に長けている人物です。(p.4)


いつの間にか「ジジイ」と化して周りのストレスになっている人…と言われれば、自分のことはさておき、おそらく、ほとんどの人が「そんな人、いるいる。」と言いそうです。そして、その後に「ああなりたくない。」と思うのではないでしょうか。

そして、著者によると、「ジジイ化」を防ぐために必要な力が「SOC = Sense Of Coherence」で、「首尾一貫感覚=人生のつじつまを合わせ、こんな員をやる気に変える力」なのだそうです。

 SOCの高い人は、サポートしてくれる他者(=他人力)を使うのが、実にうまい。
 ずる賢く他人力を使うのではなく、「よし、一肌脱いでやるか」とか、「アイツがんばってるな」と、相手の心を動かすことができる人、自分のやる気を周りにも伝染させる柔軟さを、兼ね備えています。SOCの高い人は、「ひとりでは大したことはできない」ことを理解し、車内で良好なネットワークを得る術を心得ているのです。(p.174)

 女性VS男性の多くの問題は「環境」の問題であることは否定の余地はありません。しかしながら、自分にとって不利な状況に置かれることは、性別や年齢、学歴に関係なくあります。
 そんなとき「他人力」というリソースを大事にすれば、困難を乗り越え、機器をチャンスにできる。他のいかなるリソースにも勝る最高かつ最強のリソースが、「他人力」なのです。(p.177)


自分の知識や情報では足りない時に頼りにできる情報提供者。一人ではどうにもできない時に声をかけたり、助けてくれる人。諦めそうになった時に、支えてくれたり、背中を押したりしてくれる人。
周りが「敵」ばかりでも、数少ない応援団がいれば踏ん張れる。たった一人でもいいので、「あなたは私の大切な人」とメッセージを送ってくれる人が必要であることを著者は繰り返し述べています。
そのような応援団を得るためには、自分自身が「人格的成長」のために努力し、動き出すことが必要であることも述べています。

 結局のところ、目の前の仕事の「質」を高めるために励む以外、前に進むことはできません。
「自分の成果物」の価値を上げるべく邁進する。
「自分にできること=学び」に励む。
 自分をどうこうするのではなく、目の前の仕事を「少しでもいい仕事」にすべく努力する。
 ……その結果、「人格的成長」が強化されていくのです。(p.235〜236)

最初は「老害化批判」の本だと思って読んでいました。老害化する人の心理状況などをしることで、具体的な対処方法は書かれてはいませんが、イライラすることが減るかもしれません。
自分自身が老害化しないための参考にもなるのかな、と読み進めていくうち、最後は、オッサン、オバサンへのエールを送る内容となっていました。まだまだ「年だから…。」とあきらめしまうのは早いようです。そして、「ジジイ化」しないよう、気をつけていかなくては、と思いました。