第20回図書館総合展フォーラム「ホテルに学ぶ図書館接遇」

第20回図書館総合展の1日目、10月30日(火)の午後3時30分から、この日2つ目のフォーラム「ホテルに学ぶ図書館接遇」に参加しました。

www.libraryfair.jp

2018年10月30日 (火)  15:30 - 17:00
【登壇者】

 

フォーラムの内容は、山崎さんの司会・進行で、接遇コンサルタントの加納さんが具体例をスライドで紹介したり、実演したりし、それに対して、山崎さんと伊東さんが図書館の状況などを交えながらコメントするといった形で進行しました。

なお、このフォーラムでは、図書館を利用される方(来館者)を「ゲスト」と呼んでいたので、この記事でも「ゲスト」としました。また、記録は、当日の個人メモをおこしたものなので、発表内容と異なっている部分があるかもしれません。ご了承ください。(私の認識違いの箇所については、ご指摘いただけると幸いです。)

 

1 環境・ハード面から考える

  • 書架の横に椅子を置いている図書館は多いと思うが、椅子は書架につけておいている図書館が多いが、椅子は書架につけて置かない。椅子が書架についていると、深く座れないし、椅子にも書架にも傷がついて汚れる。
  • 椅子の下が汚れている所は、他のところも汚れていることが多い。
  • 図書館は貼紙の多い施設。貼紙をやめて、声かけによる解決を目指す。
  • 顔を上げて、相手をしっかりと見る。
  • 話すのが嫌だから、図書館は貼紙を貼る。言っても直らないならば、言って直るような言葉づかいを図書館職員が身につけること。
  • <貼紙をするならば、1か所に、期間を限定して貼る
  • 一人のクレームで変えてはいけない。クレームがあったから変えるのではなく、あくまでもゲスト目線で変更する。
  • (山崎さん)図書館にいた頃、ゲストの立場になって、図書館を見て回り、図書館側が良いと思ってしていることであっても、ゲストにとって不親切な部分は変えるようにした。
  • 図書館とエプロンについて。ドラマの図書館員はエプロンをしているが、エプロンでwelcomeはおかしい。本の修理などのバックヤードの作業や児童サービスだったらエプロンもありだと思うが、エプロンとレファレンスは両立しない。
  • (伊東さん)塩尻市の図書館では、制服ではないが、上は白、職員の提案で下は黒の私服になった。

 

2 パフォーマンス(笑顔とあいさつ)

  • 笑顔の作り方で大事なのはもの使い方。目じりで笑う。
  • あいさつは、頭にアクセントを持ってくる。特に、電話対応。滑舌も良くなる。
  • あいさつで、相手の心を開かせる。挨拶の際の、表情も大事。
  • ゲストが本を雑に扱うのは、職員が本を雑に扱うから。ゲストは職員の様子をよく見ている。物を「大切扱う」という根底に、「ゲストに喜んでもらいたい」という気持ちを持つ。

 

3 距離感

  • 物の置き方も、少しの差でサービス向上につながる。
  • (山崎さん)図書館は、ゲストに深入りしないことを是としているが、図書館もサービス業である以上、近づかない方が良い場合と踏み込んだ方が良い場合がるのではないか。例えば、レファレンスを複数の職員で引き継いで調査を行う場合、履歴(利用者は、何をどこまで知りたいのか)を引き継ぐことになる。
  • ゲストのしぐさに注意し、ゲストが少しでも快適に思うよう、心を添える。
  • マニュアルの中に、いかに心(=感謝+α)を入れるか。相手のことを考え、その人の立場に立つ。

 

4 意識改革

  • 理由をきちんと説明しないと、相手には伝わらない。
  • プラスになることは、異業種からも学ぶ。外からの視点は大事。中にいると気づかないことも多い。あるいは、自分の視点を変える。
  • たくさんの視点を持つことで、より良いサービスを提供することができる。

 

5 参加しての個人的な感想など

図書館で働いていて、図書館を利用される方への対応については、毎回「これで良かったのか?」ということの連続なので、このフォーラムに申込みました。参加費1,000円のフォーラムでしたが、定価1,800円の加納尚樹さんの著書『ホテルに学ぶ図書館接遇』の本をテキストとしてもらえ、著者から具体的な話が聞けるという、参加費以上の価値のあるフォーラムだったと思います。そして、本の扱いについて、加納さんが実演したダメな例を、私もやっていました…。

図書館の貼り紙については、私自身も

「確かに、図書館は貼り紙が多いな…。」

と思っています。それも、何か言われた時の予防線として、「ここに書いてあります。」と言えるよう、「とりあえず、貼っておきましょう。」的なものが多いような気がします。確かに、職員側としてはクレームを言われるのは嫌です。中には、自分の主張を繰り返されて、図書館側の説明を一切聞いてもらえないこともありますし…。なかなか難しい問題です…。

そして、図書館の中にいると、日々の業務に追われて、「ゲストの視点」を忘れてしまいがちです。図書館側としては良いと思っていることが、ゲストにとって良いことなのか、不満はないのかなど、考えてみる必要はありそうです。ゲストが快適に過ごせる空間・サービスを図書館が提供することで、図書館のファンを増やすことができるのですから。

このフォーラムに参加して、「ゲストの立場に立つこと」の重要性を、改めて考える機会をもらったと思っています。

 

ホテルに学ぶ図書館接遇

ホテルに学ぶ図書館接遇